左官とは建物の壁や床、土塀などに、こてを使って塗り上げる職種で、左官による熟練した手作業により、日本独特の建築文化を保持しています。左官になるには、左官職人の元で見習いから始めるのが一般的で、以前は師弟関係による技術の習得がほとんどでしたが、近年は職業訓練所やものづくり大学などでも、技術を得ることができるようになりました。そのためか女性の受講者も増え、左官を目指す人も少なくありません。
左官職人の平均年収を男女別で見ると、男性が376万円、女性が276万円となっていますが、これはあくまでも平均で、新人から熟練して芸術的な塗り壁をつくれる人まで、全て含んでの金額ですから、個人的には大きな差があります。また最近は健康志向の高まりから、自然素材が見直されていますので、しっかりとした技能のある職人は、引く手あまたで年収も高くなります。企業に所属する左官にしても、一人親方にしても、技能があってこそ沢山の仕事を任せられますので、収入が上がる第一条件は技術です。腕一本で稼げるわけですから、やり甲斐と面白味のある職業で、実際にサラリーマンを辞め、左官に転職している人もいて、宮仕えとは違った楽しさ、厳しさを受け入れ、将来の親方を目指しています。
独立開業して個人事業主になると、収入も上がりますが、一定のレベルを超えてくると、次のステップが待っています。単に依頼主に言われたまま塗るのではなく、職人の立場からより良い仕上がりになるように提案できるようになると、更に高収入を望めます。