日本の誇れる技術職人のひとつに、左官職人があります。左官とは土壁や漆喰などを塗り上げる仕事で、古くから日本の建築などにおいて左官による技術が取り入れられています。以前は、住宅の壁は塗り壁が一般的でしたが、時代が進むにつれて、より施工しやすく耐久性の高いコンクリートやパネルなどが一般的になり、塗り壁が用いられる数が減り、左官が活躍する場所も減ってきました。しかし今、塗り壁のよさが改めて注目されるようになりつつあります。
利便性のよいパネルなどの内装材には、アレルギーの原因となる物質が含まれることも多くあり、シックハウスなどの症状に悩まされる方もいらっしゃいます。住宅はそう簡単に移り住むわけにはいきません。家を建てる際に、シックハウスなどのリスクを減らすために、有害物質を含まない、自然素材のみが含まれる、漆喰や土壁、珪藻土などを内装材として選択される方が増えつつあります。塗り壁は、利便性や扱いやすさ、手入れのしやすさやデザイン性など、現代のパネルなどの内装材に及ばない点もたくさんありますが、吸湿性や放湿性、防火性にも優れているという利点があります。
また、職人の熟練の技によりとてもおしゃれで雰囲気のある仕上がりも期待できるのです。これから家を建てられる方、一度日本の伝統技術である左官の熟練の技について興味を持ってみてはいかがでしょうか。